古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1009番

煙たつ

清原深養父(きよはらのふかやぶ)

煙の立つ思いの火ではないが、人知れず、思いわびては、富士の嶺のように、声をあげて泣くばかりだ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
淸原深養父(清原深養父)
  1. 1煙けぶり煙けぶりけぶりたつたつたつ初句
  2. 2思おも思おもおもひならねどひならねどいならねど二句
  3. 3人ひと人ひとひと知し知ししれずれずれず三句
  4. 4佗わ佗わわびてびてびてははは富士ふじ富士ふじふじののの四句
  5. 5ねをのみぞなくねをのみぞなくねをのみぞなく結句

引用の仕方

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現代語訳

煙の立つ思いの火ではないが、人知れず、思いわびては、富士の嶺のように、声をあげて泣くばかりだ。

意訳

富士山のように煙の立つ思いの火ではないけれど、人知れずつらく思って、富士の嶺ではないが、声をあげて泣いてばかりいる。

語釈・文法注

ね
「嶺」と「音(泣く声)」を掛ける。

和歌

作者
清原深養父(きよはらのふかやぶ) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
清少納言の曽祖父、清原元輔の祖父。琴の名手で、『古今和歌集』の時代の歌人。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1009番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「ね」に「嶺」と「音」。

解説

深養父の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、184頁(コマ102)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日