古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1010番

風吹けば

藤原惟成(ふじわらのこれしげ)

風が吹くと、室の八島の夕煙が空に立つように、心も上の空になってしまったことだ。

作者
藤原惟成
  1. 1女をんな女をんなおんなにつかはしけるにつかはしけるにつかわしける詞書
  2. 2風かぜ風かぜかぜ吹ふ吹ふふけばけばけば初句
  3. 3室むろ室むろむろののの八島やしま八島やしまやしまののの二句
  4. 4夕ゆふ夕ゆふゆうけぶりけぶりけぶり三句
  5. 5心こころ心こころこころののの空そら空そらそらににに四句
  6. 6立た立たたちにけるかなちにけるかなちにけるかな結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕女に贈った歌。

風が吹くと、室の八島の夕煙が空に立つように、心も上の空になってしまったことだ。

意訳

風が吹くと、室の八島の夕煙が空にたなびく。そのように私の心も、あなたを思って上の空になってしまった。

語釈・文法注

室の八島
下野国の歌枕。煙が立つ所として詠まれた。
心の空
心が落ち着かないこと。

和歌

作者
藤原惟成(ふじわらのこれしげ) 953–989
藤原雅材の子。花山天皇の側近として政治を動かしたが、天皇の出家に従って出家した。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1010番
歌体
短歌
状況
詞書「女につかはしける」(女に贈った歌)。

修辞

序詞
「風吹けば室の八島の夕けぶり」が「立ち」を導く。

解説

惟成の歌。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、184頁(コマ102)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日