新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 971番
日を經つゝ
日を経るにつれて、都をしのぶ信夫の浦はうら寂しくて、浪のほかの訪れもない。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕歌合をしました時、旅の心を詠んだ歌。
日を経るにつれて、都をしのぶ信夫の浦はうら寂しくて、浪のほかの訪れもない。
意訳
日がたつにつれて、都が恋しくなる。信夫の浦はうら寂しく、浪の音のほかには、何の便りもない。
語釈・文法注
- しのぶの浦
- 陸奥国の歌枕。「偲ぶ」を掛ける。
- うらさびて
- 心寂しく。「浦」を掛ける。
和歌
- 作者
- 九条兼実(くじょうかねざね) 1149–1207
関白藤原忠通の子で、良経の父、慈円の兄。摂政・関白・太政大臣を務め、九条家の祖となった。日記『玉葉』を残した。俊成・定家を庇護し、家で百首歌や歌合を催した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・971番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「歌合し侍りける時、旅の心をよめる」(歌合をしました時、旅の心を詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「しのぶ」に「偲ぶ」と「信夫」、「うら」に「浦」と「心(うら)」。
解説
兼実の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、177頁(コマ98)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日