新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 918番
かきくもり
空一面に曇って、夕立に立つ浪が荒いので、浮いている舟は、落ち着かない。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕湖の舟で、夕立が来そうだと人が申したのを聞いて詠みました歌。
空一面に曇って、夕立に立つ浪が荒いので、浮いている舟は、落ち着かない。
意訳
空がかき曇って、夕立の前ぶれの浪が荒く立っている。浮かんでいる舟も、私の心も、落ち着かない。
語釈・文法注
- 湖
- 琵琶湖。
- しづ心なき
- 落ち着いた心がない。
- うき
- 「浮き」と「憂き」を掛ける。
和歌
- 作者
- 紫式部(むらさきしきぶ) 978?–1014?
藤原為時の娘。一条天皇の中宮彰子に仕え、『源氏物語』を書いた。『紫式部日記』『紫式部集』もある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・918番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「湖の舟にて、夕立のしぬべきよし申しけるをきゝてよみ侍りける」(湖の舟で、夕立が来そうだと人が申したのを聞いて詠みました歌)。
修辞
- 掛詞
- 「うき」に「浮き」と「憂き」。
解説
紫式部の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、168頁(コマ94)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日