新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 915番
旅衣
旅衣を裁つように旅立って行く浪路は遠いので、さあ、白雲の彼方ほどの遠さで、いつとも知られない。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕宋に渡りました時、いつごろ帰るのかと人が尋ねましたので。
旅衣を裁つように旅立って行く浪路は遠いので、さあ、白雲の彼方ほどの遠さで、いつとも知られない。
意訳
旅立って行く海の道は遠いので、いつ帰れるかは、白雲の彼方のように、私にもわかりません。
語釈・文法注
- たち
- 「裁ち」と「発ち」を掛ける。
- いざしら
- 「いさ知ら(ず)」と「白雲」を掛ける。
和歌
- 作者
- 奝然(ちょうねん) 938–1016
東大寺の僧。永観元年(983年)に宋に渡り、帰国の際に釈迦如来像(清凉寺の本尊)をもたらした。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・915番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「入唐し侍りける時、何時の程か歸るべきと人の問ひ侍りければ」(宋に渡りました時、いつごろ帰るのかと人が尋ねましたので)。
修辞
- 掛詞
- 「たち」に「裁ち」と「発ち」、「しら」に「知ら」と「白」。
解説
奝然の歌。奝然は東大寺の僧で、永観元年(983年)に宋に渡った。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、167頁(コマ93)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日