古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 904番

駿河なる

在原業平(ありわらのなりひら)

駿河にある宇津の山辺の「うつ」ではないが、現実にも、夢の中でも、あなたに会えないことだ。

作者
在原業平朝臣(在原業平)
  1. 1駿河するが駿河するがするがののの國くに國くにくに宇都うつ宇都うつうつののの山やま山やまやまにあへるにあへるにあえる人ひと人ひとひとにつけてにつけてにつけて京きやう京きやうきょうへへへ遣つかは遣つかはつかわしけるしけるしける詞書
  2. 2駿河するが駿河するがするがなるなるなる初句
  3. 3宇都うつ宇都うつうつののの山邊やまべ山邊やまべやまべののの二句
  4. 4うつゝにもうつゝにもうつつにも三句
  5. 5夢ゆめ夢ゆめゆめにもにもにも人ひと人ひとひとににに四句
  6. 6あはぬなりけりあはぬなりけりあわぬなりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕駿河の国の宇津の山で出会った人に託して、京へ贈った歌。

駿河にある宇津の山辺の「うつ」ではないが、現実にも、夢の中でも、あなたに会えないことだ。

意訳

駿河の宇津の山辺を越えている。その名の「うつつ」にも、そして夢の中でも、恋しいあなたに会えないのだ。

語釈・文法注

宇都の山
駿河国の宇津ノ谷峠。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・904番
歌体
短歌
状況
詞書「駿河の國宇都の山にあへる人につけて京へ遣しける」(駿河の国の宇津の山で出会った人に託して、京へ贈った歌)。

修辞

序詞
「駿河なる宇都の山辺の」が同音の「うつつ」を導く。

解説

業平の歌。『伊勢物語』第九段(東下り)の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、165頁(コマ92)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日