新古今和歌集 巻第九 離別歌 877番
思ひ出でば
思い出したならば、同じ空にいると月を見てくれ。遠く隔たっていても、雲居でまた巡りあうまで。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕皇太子と申しあげた時、大宰大弐実政が東宮学士でしたが、甲斐守として下りました時に、餞別をお与えになるといって。
思い出したならば、同じ空にいると月を見てくれ。遠く隔たっていても、雲居でまた巡りあうまで。
意訳
私のことを思い出したなら、同じ空の下にいると思って月を見てほしい。遠く離れていても、月が巡るように、また宮中で巡りあう日まで。
語釈・文法注
- みこの宮
- 皇太子。
- 雲井
- 空。宮中の意を掛ける。
和歌
- 作者
- 後三条院(ごさんじょういん) 1034–1073
第七十一代天皇。後朱雀天皇の皇子。摂関家を外戚としない天皇として、延久の荘園整理令などの親政を行った。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第九・離別歌・877番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「みこの宮と申しける時、太宰大貳實政、學士にて侍りける、甲斐守にてくだり侍りけるに、餞給はすとて」(皇太子と申しあげた時、大宰大弐実政が東宮学士でしたが、甲斐守として下りました時に、餞別をお与えになるといって)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
- 倒置
- 倒置。
- 掛詞
- 「雲井」に「空」と「宮中」。
解説
後三条院の歌。底本は初句を「思ひ出でば」とするが、「思ひ出でて」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、160頁(コマ90)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日