新古今和歌集 巻第九 離別歌 873番
天の川
天の川を、空で聞いた七夕の舟出の別れよりも、私のほうがまさって、今朝は悲しい。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕年老いた親が、七月七日に筑紫へ下った時に、遠く離れてしまうことを思って、八日の明け方、追いかけて、船に乗る所に贈った歌。
天の川を、空で聞いた七夕の舟出の別れよりも、私のほうがまさって、今朝は悲しい。
意訳
昨夜は天の川の舟出の別れが空に語られていたが、親を見送る今朝の私の悲しみは、それにもまさっている。
語釈・文法注
- 舟出
- 七夕の夜、彦星が舟で天の川を渡るとされた。
和歌
- 作者
- 加賀左衛門(かがのさえもん) 生没年未詳(十一世紀)
丹波泰親の娘とされる。藤原頼通の妻隆姫に仕えた女房。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第九・離別歌・873番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「老いたる親の、七月七日筑紫へ下りけるに、遙に離れぬる事を思ひて、八日の曉追ひて船に乘る所に遣しける」(年老いた親が、七月七日に筑紫へ下った時に、遠く離れてしまうことを思って、八日の明け方、追いかけて、船に乗る所に贈った歌)。
解説
加賀左衛門の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、159頁(コマ89)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日