古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第九 離別歌 868番

涼しさは

藤原妍子(ふじわらのけんし)

涼しさは、生の松原のほうがまさるとしても、添えて贈る扇の風を忘れないでほしい。

作者
枇杷皇太后宮(藤原妍子)
  1. 1太宰帥隆家だざいのそちたかいへ太宰帥隆家だざいのそちたかいへだざいのそちたかいえ、、、くだりけるにくだりけるにくだりけるに、、、扇あふぎ扇あふぎおうぎたまふとてたまふとてたまうとて詞書
  2. 2涼すず涼すずすずしさはしさはしさは初句
  3. 3いきのいきのいきの松まつ松まつまつ原ばら原ばらばら二句
  4. 4まさるともまさるともまさるとも三句
  5. 5添そ添そそふるふるうる扇あふぎ扇あふぎおうぎののの四句
  6. 6風かぜ風かぜかぜななな忘わす忘わすわすれそれそれそ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕大宰帥隆家が下る時に、扇をお与えになるといって。

涼しさは、生の松原のほうがまさるとしても、添えて贈る扇の風を忘れないでほしい。

意訳

筑紫の生の松原のほうが涼しいかもしれませんが、私が添えて贈るこの扇の風のことを、忘れないでください。

語釈・文法注

いきの松原
筑前国の歌枕。「行き」を響かせる。
な〜そ
〜しないでくれ。

和歌

作者
藤原妍子(ふじわらのけんし) 994–1027
藤原道長の娘。三条天皇の中宮。枇杷殿に住んだので枇杷皇太后宮と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第九・離別歌・868番
歌体
短歌
状況
詞書「太宰帥隆家、くだりけるに、扇たまふとて」(大宰帥隆家が下る時に、扇をお与えになるといって)。

解説

枇杷皇太后宮(藤原妍子)の歌。隆家は長和三年(1014年)に大宰権帥となった。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、158頁(コマ89)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日