新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 856番
暮れぬ間の
日の暮れないうちのはかない身であることを思わないで、人の世のあわれを知るのは、一方ではむなしいことだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕亡くなった人の手紙が物の中にあったのを見つけて、その人にゆかりのある人のもとに贈った歌。
日の暮れないうちのはかない身であることを思わないで、人の世のあわれを知るのは、一方ではむなしいことだ。
意訳
自分もいつ死ぬかわからないはかない身なのに、そのことを忘れて人の死を悲しんでいる。それもまた、はかないことだ。
語釈・文法注
- 暮れぬ間
- 日が暮れないうち。命のあるうち。
- かつは
- 一方では。
和歌
- 作者
- 紫式部(むらさきしきぶ) 978?–1014?
藤原為時の娘。一条天皇の中宮彰子に仕え、『源氏物語』を書いた。『紫式部日記』『紫式部集』もある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・856番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「失せにける人の文の、物の中なるを見出でて、ゆかりなる人の許につかはしける」(亡くなった人の手紙が物の中にあったのを見つけて、その人にゆかりのある人のもとに贈った歌)。
解説
紫式部の歌で、巻第八の巻末歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、155頁(コマ87)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日