新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 827番
有栖川
有栖川の同じ流れは変わらないけれど、見た昔の面影は忘れられない。
場面イラスト(準備中)
- 1禎子內親王禎子內親王ていしないしんのうかくれかくれかくれ給給たまひてひていて後後のち、、、懷子內親王懷子內親王かいしないしんのうかはりゐかはりゐかわりい侍侍はべりぬとりぬとりぬと聞聞ききてきてきて、、、まかりてまかりてまかりて見見みればればれば、、、何何なに事事こともかはらぬやうにもかはらぬやうにもかわらぬように侍侍はべりけるもりけるもりけるも、、、いとゞいとゞいとど昔昔むかし思思おもひひい出出いでられてでられてでられて、、、女房女房にようぼうににに申申もうししし侍侍はべりけるりけるりける詞書
- 2有栖川有栖川ありすがわ初句
- 3おなじおなじおなじ流流ながれははは二句
- 4かはらねどかはらねどかわらねど三句
- 5見見みしやしやしや昔昔むかしののの四句
- 6かげぞかげぞかげぞ忘忘わすれぬれぬれぬ結句
現代語訳
〔詞書〕禎子内親王がお亡くなりになった後、懐子内親王が代わって入られたと聞いて、出かけて見ると、何事も変わらないようでしたのも、いっそう昔が思い出されて、女房に申しました歌。
有栖川の同じ流れは変わらないけれど、見た昔の面影は忘れられない。
意訳
有栖川の流れは昔と変わらない。けれども、かつてここで見た昔の人の面影は、忘れることができない。
語釈・文法注
- 有栖川
- 山城国の川。斎院の御所の近くを流れる。
- 禎子内親王・懐子内親王
- ともに賀茂の斎院。
和歌
- 作者
- 源雅定(みなもとのまささだ) 1094–1162
源雅実の子。右大臣に至った。中院家の祖。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・827番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「禎子內親王かくれ給ひて後、懷子內親王かはりゐ侍りぬと聞きて、まかりて見れば、何事もかはらぬやうに侍りけるも、いとゞ昔思ひ出でられて、女房に申し侍りける」(禎子内親王がお亡くなりになった後、懐子内親王が代わって入られたと聞いて、出かけて見ると、何事も変わらないようでしたのも、いっそう昔が思い出されて、女房に申しました歌)。
解説
雅定の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、149頁(コマ84)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日