新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 826番
かきとむる
書きとめた言葉だけが、筆の跡となって流れ残る形見なのだった。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕通っていた女が亡くなったころ、書いておいた手紙を、経の料紙にしようと取り出して見ました時に。
書きとめた言葉だけが、筆の跡となって流れ残る形見なのだった。
意訳
あの人が書きとめた言葉だけが、水の流れのような筆跡となって後に残る形見なのだった。
語釈・文法注
- 料紙
- 書写に使う紙。故人の手紙を漉き返して経を書写する習いがあった。
- 水茎
- 筆跡。
和歌
- 作者
- 藤原公通(ふじわらのきんみち) 1117–1173
藤原通季の子。按察使・権大納言に至った。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・826番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「通ひける女のはかなくなり侍りける頃、書きたる文ども、經の料紙になさむとてとり出でて見侍りけるに」(通っていた女が亡くなったころ、書いておいた手紙を、経の料紙にしようと取り出して見ました時に)。
修辞
- 縁語
- 「水茎」「流れ」。
解説
公通の歌。底本は結句を「形見なりけり」とするが、「形見なりける」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、149頁(コマ84)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日