新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 820番
見し人の
見慣れた人が煙になった夕べから、名前も親しく思われる塩竈の浦よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕世のはかないことを嘆いていたころ、陸奥の国の名所をあちこち描いた絵を見まして。
見慣れた人が煙になった夕べから、名前も親しく思われる塩竈の浦よ。
意訳
あの人が火葬の煙となったあの夕べから、藻塩を焼く煙の立つ塩竈の浦は、その名前までが親しく思われる。
語釈・文法注
- 塩竈の浦
- 陸奥国の歌枕。塩を焼く煙で知られる。
和歌
- 作者
- 紫式部(むらさきしきぶ) 978?–1014?
藤原為時の娘。一条天皇の中宮彰子に仕え、『源氏物語』を書いた。『紫式部日記』『紫式部集』もある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・820番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「世のはかなき事を歎く頃、みちの國に名ある所々書きたる繪を見侍りて」(世のはかないことを嘆いていたころ、陸奥の国の名所をあちこち描いた絵を見まして)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
紫式部の歌とされる。底本は第四句を「名もむつましき」とするが、「名ぞむつましき」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、148頁(コマ84)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日