古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 797番

物おもへば

源雅実(みなもとのまさざね)

もの思いをしていると、色のない風もなかった。身にしみる秋の、心の習いによって。

作者
久我太政大臣(源雅実)
  1. 1堀川院ほりかはのゐん堀川院ほりかはのゐんほりかわのいんかくれかくれかくれ給たま給たまたまひてひていて後のち後のちのち、、、神無月かみなづき神無月かみなづきかみなずき、、、風かぜ風かぜかぜののの音おと音おとおとあはれにあはれにあわれに聞きこ聞きこきこえければえければえければ詞書
  2. 2物もの物ものものおもへばおもへばおもえば初句
  3. 3色いろ色いろいろなきなきなき風かぜ風かぜかぜももも二句
  4. 4なかりけりなかりけりなかりけり三句
  5. 5身み身みみにしむにしむにしむ秋あき秋あきあきののの四句
  6. 6心こころ心こころこころならひにならひにならいに結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕堀河院がお亡くなりになった後、神無月、風の音がしみじみと聞こえたので。

もの思いをしていると、色のない風もなかった。身にしみる秋の、心の習いによって。

意訳

もの思いに沈んでいると、本来色のないはずの風にも、色があるように感じられる。秋は身にしみるという、心の習いのせいで。

語釈・文法注

色なき風
秋風。秋は五行で白にあたるので、無色の風という。

和歌

作者
源雅実(みなもとのまさざね) 1059–1127
源顕房の子。太政大臣に至った。久我家の祖。
出典
『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・797番
歌体
短歌
状況
詞書「堀川院かくれ給ひて後、神無月、風の音あはれに聞えければ」(堀河院がお亡くなりになった後、神無月、風の音がしみじみと聞こえたので)。

修辞

三句切れ
三句切れ。
倒置
倒置。

解説

雅実の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、143頁(コマ81)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日