新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 794番
故鄕を
古里を恋う涙なのだろうか、ひとりで行く、友もない山道の道芝の露は。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕修行の道連れであった人が、続けて亡くなってしまったので、思い出して詠んだ歌。
古里を恋う涙なのだろうか、ひとりで行く、友もない山道の道芝の露は。
意訳
共に修行した友はみな亡くなり、私はひとり山道を行く。道の芝草に置く露は、古里を恋しく思う私の涙なのだろうか。
語釈・文法注
- 同行
- 一緒に修行する仲間。
- 道芝
- 道ばたの芝草。
和歌
- 作者
- 慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・794番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「同行なりける人、うちつゞきはかなくなりにければ、思ひ出でてよめる」(修行の道連れであった人が、続けて亡くなってしまったので、思い出して詠んだ歌)。
修辞
- 倒置
- 倒置。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
慈円の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、142頁(コマ81)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日