新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 779番
秋風の
秋風の吹く、露の宿りのようなこの世にあなたを置いて、塵の世を出てしまうことが悲しい。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕ご病気が重くなって、出家なさった日に、上東門院がまだ中宮と申しあげた時に贈られた歌。
秋風の吹く、露の宿りのようなこの世にあなたを置いて、塵の世を出てしまうことが悲しい。
意訳
秋風に吹かれる露の宿りのような、はかないこの世にあなたを残して、私は俗世を離れていく。それがなんとも悲しい。
語釈・文法注
- 露の宿り
- 露のようにはかないこの世。
- 塵
- 俗世。
和歌
- 作者
- 一条院(いちじょういん) 980–1011
第六十六代天皇。円融天皇の皇子。中宮定子・彰子のもとで後宮文化が栄えた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・779番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「例ならぬこと重くなりて、御髪おろし給ひける日、上東門院中宮と申しける時遣しける」(ご病気が重くなって、出家なさった日に、上東門院がまだ中宮と申しあげた時に贈られた歌)。
修辞
- 字余り
- 第三句。
解説
一条院の歌。寛弘八年(1011年)、崩御の直前の作。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、139頁(コマ79)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日