新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 762番
花櫻
桜の花がまだ盛りなのに散ってしまったように、若くして亡くなったのだろう。その嘆きの深さを、思いやることだ。
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現代語訳
〔詞書〕三月ごろ、人に先立たれて嘆いている人のもとに贈った歌。
桜の花がまだ盛りなのに散ってしまったように、若くして亡くなったのだろう。その嘆きの深さを、思いやることだ。
意訳
桜がまだ盛りのうちに散ってしまうように、亡くなった人もまだ若い盛りだったのだろう。その木の下で嘆いているあなたの悲しみを、心から思いやっています。
語釈・文法注
- なげきのもと
- 「嘆き」に「木(き)」を響かせ、木の下と嘆く人のもとを掛ける。
- 思ひこそやれ
- 思いやることだ。
和歌
- 作者
- 成尋(じょうじん) 1011–1081
天台宗の僧。延久四年(1072年)に宋に渡り、彼の地で没した。母は『成尋阿闍梨母集』の作者。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・762番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「彌生の頃、人に後れて歎きける人の許に遺しける」(三月ごろ、人に先立たれて嘆いている人のもとに贈った歌)。
修辞
- 掛詞
- 「なげき」の「き」に「木」を響かせる。
解説
成尋の歌。成尋は延久四年(1072年)に宋に渡った天台僧。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、135頁(コマ77)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日