新古今和歌集 巻第七 賀歌 742番
うれしさや
うれしさを、片敷く袖に包んでいるのだろうか。今日を待ち得た宇治の橋姫は。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕建久七年、入道前関白太政大臣が宇治で人々に歌を詠ませました時に。
うれしさを、片敷く袖に包んでいるのだろうか。今日を待ち得た宇治の橋姫は。
意訳
いつも独り寝の片袖を敷いて待つ宇治の橋姫も、今日はこうして待ちわびた日を迎えた。そのうれしさを、袖に包みきれないほどだろう。
語釈・文法注
- 片しく
- 衣の片袖を敷いて独り寝をする。
- 宇治の橋姫
- 宇治橋を守る女神。
和歌
- 作者
- 藤原隆房(ふじわらのたかふさ) 1148–1209
藤原隆季の子。権大納言に至った。平清盛の娘を妻とした。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第七・賀歌・742番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「建久七年、入道前關白太政大臣宇治にて人々に歌よませ侍りけるに」(建久七年、入道前関白太政大臣が宇治で人々に歌を詠ませました時に)。
修辞
- 倒置
- 倒置。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
隆房の歌。入道前関白太政大臣は九条兼実。建久七年は1196年。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、130頁(コマ75)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日