古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 657番

矢田の野の

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

矢田の野の浅茅が色づいている。有乳山の峰の淡雪は、寒いにちがいない。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
人麿(柿本人麻呂)
  1. 1矢田やた矢田やたやたののの野の野ののののの初句
  2. 2淺茅あさぢ淺茅あさぢあさじ色いろ色いろいろづくづくづく二句
  3. 3有乳山あらちやま有乳山あらちやまあらちやま三句
  4. 4嶺みね嶺みねみねのあはのあはのあわ雪ゆき雪ゆきゆき四句
  5. 5寒さむ寒さむさむくぞあるらしくぞあるらしくぞあるらし結句

引用の仕方

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現代語訳

矢田の野の浅茅が色づいている。有乳山の峰の淡雪は、寒いにちがいない。

意訳

矢田の野の浅茅が色づいてきた。その奥の有乳山の峰では、淡雪が降って寒いことだろう。

語釈・文法注

矢田の野
越前国の地名とされる。
有乳山
越前国と近江国の境の山。愛発(あらち)山。

和歌

作者
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) 生没年未詳(七世紀後半〜八世紀初め)
持統・文武天皇の時代の宮廷歌人。『万葉集』を代表する歌人で、長歌・短歌ともにすぐれ、のちに「歌聖」とあがめられた。平安時代には人麻呂の作と伝える歌が多く、新古今集にもその名で多くの歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・657番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

字余り
結句。

解説

人麿の歌とされる。もとは『万葉集』巻第十(2331番)の作者未詳歌。底本は初句を「矢田の野の」、結句を「寒くぞあるらし」とするが、「矢田の野に」「寒くあるらし」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、115頁(コマ67)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日