新古今和歌集 巻第六 冬歌 639番
志賀の浦や
志賀の浦よ。遠ざかっていく浪間から、凍ったように出てくる有明の月よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕摂政太政大臣家の歌合で、「湖上冬月(湖上の冬の月)」の題で。
志賀の浦よ。遠ざかっていく浪間から、凍ったように出てくる有明の月よ。
意訳
志賀の浦では、岸から凍っていくので、浪打ちぎわがだんだん遠ざかっていく。その浪間から、凍りついたような有明の月がのぼってくる。
語釈・文法注
- 志賀の浦
- 琵琶湖の西岸。
- 遠ざかりゆく
- 岸辺から凍りついていくので、浪が遠ざかっていく。
和歌
- 作者
- 藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第六・冬歌・639番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「攝政太政大臣家の歌合に、湖上冬月」(摂政太政大臣家の歌合で、「湖上冬月(湖上の冬の月)」の題で)。
修辞
- 初句切れ
- 初句切れ。
- 本歌取り
- 「さ夜ふくるままに汀や氷るらむ遠ざかりゆく志賀の浦波」(後拾遺集・快覚)をふまえる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
家隆の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、112頁(コマ66)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日