新古今和歌集 巻第六 冬歌 635番
かたしきの
片敷いた袖の氷も固く結ぼれて、うちとけて寝ることのできない夜の夢は短い。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌を献上した時の歌。
片敷いた袖の氷も固く結ぼれて、うちとけて寝ることのできない夜の夢は短い。
意訳
独り寝の片袖の上で、涙は固く凍りついている。氷が解けないように心もうちとけず、ぐっすり眠れない夜の夢は、なんとも短い。
語釈・文法注
- むすぼほれ
- 固く結ぼれる。心がふさぐ意を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第六・冬歌・635番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌奉りし時」(百首歌を献上した時の歌)。
修辞
- 掛詞
- 「とけて」に氷が「解けて」と心が「打ち解けて」。
- 縁語
- 「氷」「むすぼほれ」「とけ」。
解説
良経の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、111頁(コマ65)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日