古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 583番

世の中に

和泉式部(いずみしきぶ)

この世に、なおも生き長らえることだ。時雨が降り続いて、雲間の月が出るかと思うので。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
和泉式部
  1. 1世よ世よよののの中なか中なかなかににに初句
  2. 2猶なほ猶なほなおもふるかなもふるかなもふるかな二句
  3. 3時雨しぐれ時雨しぐれしぐれつゝつゝつつ三句
  4. 4雲くも雲くもくも間ま間ままののの月つき月つきつきののの四句
  5. 5出い出いいでやとでやとでやと思おも思おもおもへばへばえば結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

この世に、なおも生き長らえることだ。時雨が降り続いて、雲間の月が出るかと思うので。

意訳

時雨が降り続く中で、雲間から月が出るのを待つように、いつか心が晴れる時が来るかと思って、私はこの世になおも生き長らえている。

語釈・文法注

ふる
「経る(生きながらえる)」と「降る」を掛ける。

和歌

作者
和泉式部(いずみしきぶ) 978?–?
大江雅致の娘。和泉守橘道貞の妻となり、のち冷泉天皇の皇子為尊親王・敦道親王との恋で知られる。中宮彰子に仕えた。情熱的な恋の歌が多く、『和泉式部日記』がある。娘は小式部内侍。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・583番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「ふる」に「経る」と「降る」。
二句切れ
二句切れ。

解説

和泉式部の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、102頁(コマ61)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日