新古今和歌集 巻第六 冬歌 566番
唐錦
唐錦のような紅葉は、秋の形見として裁つのだろうか、竜田山の、散りきらない枝に嵐が吹いている。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕五十首歌を献上した時の歌。
唐錦のような紅葉は、秋の形見として裁つのだろうか、竜田山の、散りきらない枝に嵐が吹いている。
意訳
竜田山では、散りきらずに残る紅葉の枝に、嵐が吹きつけている。唐錦のような紅葉を、秋の形見として裁ち切ろうとしているのだろうか。
語釈・文法注
- 唐錦
- 中国渡来の錦。美しい紅葉のたとえ。
- たつた山
- 竜田山。紅葉の名所。
和歌
- 作者
- 宮内卿(くないきょう) 生没年未詳(十二世紀末〜十三世紀初め)
源師光の娘。後鳥羽院に仕えた女房で、若くして歌才を認められ、千五百番歌合などで活躍したが、二十歳前後で亡くなったと伝えられる。「若草の宮内卿」と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第六・冬歌・566番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五十首の歌奉りし時」(五十首歌を献上した時の歌)。
修辞
- 掛詞
- 「たつ」に錦を「裁つ」と「竜田」を掛ける。
- 縁語
- 「錦」「裁つ」。
解説
宮内卿の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、100頁(コマ60)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日