新古今和歌集 巻第六 冬歌 551番
おきあかす
起きたまま夜を明かした秋との別れに、袖に置いた涙の露が、霜となって結んでいる。冬が来たのだろうか。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕千五百番歌合で、初冬の心を詠んだ歌。
起きたまま夜を明かした秋との別れに、袖に置いた涙の露が、霜となって結んでいる。冬が来たのだろうか。
意訳
去っていく秋を惜しんで眠らずに夜を明かした。別れの涙で濡れた袖の露が、いつのまにか霜に変わっている。もう冬が来たのだろうか。
語釈・文法注
- おきあかす
- 起きたまま夜を明かす。「置き」を掛ける。
- 霜こそむすべ
- 霜が結んでいる。「こそ」の結びは已然形「むすべ」で、逆接で下に続く。
和歌
- 作者
- 藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第六・冬歌・551番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「千五百番歌合に、初冬の心をよめる」(千五百番歌合で、初冬の心を詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「おき」に「起き」と露が「置き」を掛ける。
- 縁語
- 「露」「置き」「むすぶ」。
解説
俊成の歌で、巻第六(冬歌)の巻頭歌。秋の露が冬の霜に変わることで季節の移りを示す。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、97頁(コマ58)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日