古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 532番

時わかぬ

藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか))

季節の区別のない波までも色に出る泉川よ。柞の森に嵐が吹いているらしい。

詞書
「左大將に侍りける時、家に百首の歌合し侍りけるに、柞をよみ侍ける」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原定家朝臣(藤原定家)
  1. 1時とき時ときときわかぬわかぬわかぬ初句
  2. 2波なみ波なみなみさへさへさえ色いろ色いろいろににに二句
  3. 3いづみいづみいずみ川がは川がはがわ三句
  4. 4柞ははそ柞ははそははそののの杜もり杜もりもりににに四句
  5. 5嵐あらし嵐あらしあらし吹ふ吹ふふくらしくらしくらし結句

引用の仕方

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現代語訳

季節の区別のない波までも色に出る泉川よ。柞の森に嵐が吹いているらしい。

意訳

季節に関係なく流れる泉川の波までも、紅葉の色に染まっている。上流の柞の森に嵐が吹いて、紅葉を散らしているらしい。

語釈・文法注

いづみ川
山城国の木津川。「(色に)出づ」を掛ける。
柞の杜
泉川のほとりの森。

和歌

作者
藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・532番
歌体
短歌
状況
詞書「左大將に侍りける時、家に百首の歌合し侍りけるに、柞をよみ侍ける」(左大将でした時に、自邸で百首歌合を催しました時に、柞を詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「いづみ」に「出づ」と「泉(川)」を掛ける。

解説

定家の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、93頁(コマ56)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日