古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 517番

秋ふけぬ

後鳥羽院(ごとばいん)

秋も深まった。鳴けよ、霜の降りる夜のこおろぎよ。月の光もしだいに寒々しくなる、蓬の生い茂る荒れた家の月よ。

作者
太上天皇(後鳥羽院)
  1. 1秋あき秋あきあきののの歌うた歌うたうたとてとてとて詞書
  2. 2秋あき秋あきあきふけぬふけぬふけぬ初句
  3. 3鳴な鳴ななけやけやけや霜夜しもよ霜夜しもよしもよののの二句
  4. 4きり〴〵すきり〴〵すきりぎりす三句
  5. 5やゝやゝやや影かげ影かげかげ寒さむ寒さむさむししし四句
  6. 6蓬生よもぎふ蓬生よもぎふよもぎうののの月つき月つきつき結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕秋の歌として。

秋も深まった。鳴けよ、霜の降りる夜のこおろぎよ。月の光もしだいに寒々しくなる、蓬の生い茂る荒れた家の月よ。

意訳

秋もすっかり深まった。霜の降りる夜、こおろぎよ、もっと鳴いておくれ。蓬の茂った荒れた家を照らす月の光も、だんだん寒々しくなってきた。

語釈・文法注

秋ふけぬ
秋が深まった。
蓬生
蓬の生い茂った所。荒れた家を表す。

和歌

作者
後鳥羽院(ごとばいん) 1180–1239
第八十二代天皇。譲位後に院政を行い、和歌所を置いて『新古今和歌集』の撰集を命じ、自らも撰歌と切継に深く関わった。承久の乱(1221)に敗れて隠岐に配流され、配所でも集の精選(隠岐本)を続けた。『新古今和歌集』では「太上天皇」と記され、三十三首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・517番
歌体
短歌
状況
詞書「秋の歌とて」(秋の歌として)。

修辞

初句切れ
初句切れ。
体言止め
体言止め。

解説

後鳥羽院の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、90頁(コマ55)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日