新古今和歌集 巻第五 秋歌下 507番
霜をまつ
霜を待つ垣根の菊の上に、宵のうちに、霜が置いたかと見まがう色は、山の端の月の光であった。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕五十首歌を献上した時、「菊の籬の月」という題で詠んだ歌。
霜を待つ垣根の菊の上に、宵のうちに、霜が置いたかと見まがう色は、山の端の月の光であった。
意訳
まだ霜も置かない宵のうちなのに、垣根の白菊が霜が置いたかと見えるほど白い。それは山の端から差す月の光だった。
語釈・文法注
- おきまがふ
- 置いたかと見まがう。
和歌
- 作者
- 宮内卿(くないきょう) 生没年未詳(十二世紀末〜十三世紀初め)
源師光の娘。後鳥羽院に仕えた女房で、若くして歌才を認められ、千五百番歌合などで活躍したが、二十歳前後で亡くなったと伝えられる。「若草の宮内卿」と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・507番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五十首の歌奉りし時、菊籬月といへる心を」(五十首歌を献上した時、「菊の籬の月」という題で詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 月の光を霜に見立てる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
宮内卿の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、89頁(コマ54)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日