新古今和歌集 巻第五 秋歌下 487番
ひとりぬる
独り寝をする山鳥の長く垂れた尾に、露が置いているかと見まがう、床の月の光よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌を献上した時の歌。
独り寝をする山鳥の長く垂れた尾に、露が置いているかと見まがう、床の月の光よ。
意訳
雄と雌が離れて寝るという山鳥のように独り寝をする床に、月の光が差しこむ。その光は、山鳥の長い尾に置いた露のように白く見える。
語釈・文法注
- 山鳥
- 雌雄が谷を隔てて別々に寝るとされ、独り寝のたとえとなる。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・487番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌奉りし時」(百首歌を献上した時の歌)。
修辞
- 本歌取り
- 「あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」(百人一首3番)をふまえる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
定家の歌。底本は第四句を「露おきまがふ」とするが、「霜おきまよふ」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、85頁(コマ52)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日