新古今和歌集 巻第五 秋歌下 474番
跡もなき
人の訪れた跡もない庭の浅茅に絡みついて、露の底で鳴いている松虫の声よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌の中に詠んだ歌。
人の訪れた跡もない庭の浅茅に絡みついて、露の底で鳴いている松虫の声よ。
意訳
人の訪れも絶えた庭の浅茅に、露がびっしりと置いている。その露の底から、松虫が人を待つように鳴いている。
語釈・文法注
- むすほほれ
- もつれ乱れて。
- 松蟲
- 「待つ」を響かせる。
和歌
- 作者
- 式子内親王(しょくしないしんのう) ?–1201
後白河天皇の皇女。賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学び、内に秘めた激しい情を静かな調べで詠んだ。『新古今和歌集』に女性歌人として最も多い四十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・474番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌の中に」(百首歌の中に詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「まつ」に「松(虫)」と「待つ」を響かせる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
式子内親王の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、83頁(コマ51)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日