古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 473番

蟲の音も

藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう))

虫の声も、長い夜を飽きることなく鳴く古里に、さらにもの思いを添える秋風が吹いている。

作者
藤原家隆朝臣(藤原家隆)
  1. 1守覺法親王しゆかくほふしんわう守覺法親王しゆかくほふしんわうしゅかくほっしんのうののの家いへ家いへいえののの五十首ごじつしゆ五十首ごじつしゆごじっしゅののの歌うた歌うたうたののの中なか中なかなかににに詞書
  2. 2蟲むし蟲むしむしののの音ね音ねねももも初句
  3. 3ながきながきながき夜よ夜よよあかぬあかぬあかぬ二句
  4. 4故鄕ふるさと故鄕ふるさとふるさとににに三句
  5. 5猶な猶ななほおもひそふほおもひそふおおもいそう四句
  6. 6秋あき秋あきあき風かぜ風かぜかぜぞふくぞふくぞふく結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕守覚法親王の家の五十首歌の中に詠んだ歌。

虫の声も、長い夜を飽きることなく鳴く古里に、さらにもの思いを添える秋風が吹いている。

意訳

荒れた古里では、長い秋の夜を虫が鳴き続けている。そこへ秋風が吹いて、いっそうもの思いをつのらせる。

語釈・文法注

思ひそふ
もの思いを添える。

和歌

作者
藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・473番
歌体
短歌
状況
詞書「守覺法親王の家の五十首の歌の中に」(守覚法親王の家の五十首歌の中に詠んだ歌)。

解説

家隆の歌。底本は結句を「秋風ぞふく」とするが、「松風ぞふく」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、83頁(コマ51)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日