古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 439番

野分せし

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

野分が吹いた小野の、鹿の寝床の草も荒れはてて、深い山の奥で鳴く雄鹿の声よ。

詞書
「百首の歌奉りし時」(前の歌と同じ詞書)
作者
寂蓮法師
  1. 1野分のわき野分のわきのわきせしせしせし初句
  2. 2小野をの小野をのおのののの草くさ草くさくさぶしぶしぶし二句
  3. 3荒あ荒ああれれれはははてゝてゝてて三句
  4. 4みみみ山やま山やまやまににに深ふか深ふかふかききき四句
  5. 5さささををお鹿しか鹿しかしかののの聲こゑ聲こゑこえ結句

引用の仕方

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現代語訳

野分が吹いた小野の、鹿の寝床の草も荒れはてて、深い山の奥で鳴く雄鹿の声よ。

意訳

野分(台風)が吹き荒れて、野の鹿の寝床だった草むらもすっかり荒れはててしまった。鹿は山の奥に移り、その深い山から鳴く声が聞こえる。

語釈・文法注

野分
秋に吹く強い風。台風。
草ぶし
鹿などが草の上に伏して寝る所。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・439番
歌体
短歌
状況
詞書「百首の歌奉りし時」(百首歌を献上した時の歌)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、77頁(コマ48)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日