古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 368番

それながら

式子内親王(しょくしないしんのう)

同じ秋風でありながら、昔とは違って感じられる秋風に、いっそうもの思いにふけって眺めることだ。倭文の苧環をくり返すように。

詞書
「秋の歌とてよみ侍りける」(前の歌と同じ詞書)
作者
式子內親王(式子内親王)
  1. 1それながらそれながらそれながら初句
  2. 2昔むかし昔むかしむかしにもあらぬにもあらぬにもあらぬ二句
  3. 3秋あき秋あきあき風かぜ風かぜかぜににに三句
  4. 4いとゞながめいとゞながめいとどながめををを四句
  5. 5倭文しづ倭文しづしずののの苧環をだまき苧環をだまきおだまき結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

同じ秋風でありながら、昔とは違って感じられる秋風に、いっそうもの思いにふけって眺めることだ。倭文の苧環をくり返すように。

意訳

秋風は昔と同じはずなのに、昔とは違って身にしみる。糸を巻く苧環をくり返し繰るように、昔を思ってはもの思いにふける。

語釈・文法注

それながら
同じでありながら。
倭文の苧環
倭文(しず)を織る麻糸を巻いた玉。「くり返し」を導き、「賤(しづ)」を響かせる。

和歌

作者
式子内親王(しょくしないしんのう) ?–1201
後白河天皇の皇女。賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学び、内に秘めた激しい情を静かな調べで詠んだ。『新古今和歌集』に女性歌人として最も多い四十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・368番
歌体
短歌
状況
詞書「秋の歌とてよみ侍りける」(秋の歌として詠みました歌)。

修辞

本歌取り
「いにしへのしづのをだまき繰りかへし昔を今になすよしもがな」(伊勢物語)をふまえる。
体言止め
体言止め。

解説

式子内親王の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、65頁(コマ42)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日