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新古今和歌集 巻第四 秋歌上 366番

秋風の

鴨長明(かものちょうめい)

秋風が吹き届く袖と、届かない袖とがあるわけではないだろう。ただ自分自身の心から涙の露がこぼれる夕暮れなのだ。

詞書
「秋の歌とてよみ侍りける」(前の歌と同じ詞書)
作者
鴨長明
  1. 1秋あき秋あきあき風かぜ風かぜかぜののの初句
  2. 2いたりいたらぬいたりいたらぬいたりいたらぬ二句
  3. 3袖そで袖そでそではははあらじあらじあらじ三句
  4. 4たゞたゞただ我われ我われわれからのからのからの四句
  5. 5露つゆ露つゆつゆののの夕ゆふ夕ゆふゆうぐれぐれぐれ結句

引用の仕方

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現代語訳

秋風が吹き届く袖と、届かない袖とがあるわけではないだろう。ただ自分自身の心から涙の露がこぼれる夕暮れなのだ。

意訳

秋風は誰の袖にも同じように吹く。それなのに自分の袖ばかりが露に濡れるのは、ほかならぬ自分の心から涙がこぼれるからだ。

語釈・文法注

いたりいたらぬ
届いたり届かなかったり。
我から
自分から。「われから」という海藻の名を響かせる。

和歌

作者
鴨長明(かものちょうめい) 1155?–1216
下鴨神社の禰宜鴨長継の子。俊恵に和歌を学び、和歌所の寄人となった。のち出家して日野の方丈の庵に住み、『方丈記』を著した。歌論書『無名抄』、説話集『発心集』もある。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・366番
歌体
短歌
状況
詞書「秋の歌とてよみ侍りける」(秋の歌として詠みました歌)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

作者の鴨長明は『方丈記』の作者。和歌所の寄人を務めた。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、64頁(コマ42)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日