古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 330番

秋萩を

永縁(えいえん)

秋萩を折らずには通り過ぎまい。月草の花で摺り染めにした衣が、露に濡れて色が移ろうとも。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
權僧正永緣(永縁)
  1. 1秋萩あきはぎ秋萩あきはぎあきはぎををを初句
  2. 2折を折をおらでらでらでははは過す過すすぎじぎじぎじ二句
  3. 3月草つきくさ月草つきくさつきくさののの三句
  4. 4花はな花はなはなずりずりずり衣ごろも衣ごろもごろも四句
  5. 5露つゆ露つゆつゆににに濡ぬ濡ぬぬるともるともるとも結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

秋萩を折らずには通り過ぎまい。月草の花で摺り染めにした衣が、露に濡れて色が移ろうとも。

意訳

露に濡れれば、月草で染めた衣の色はあせてしまう。それでも、この美しい萩を折らずに通り過ぎることはできない。

語釈・文法注

月草
露草。その花の汁で布を染めた。色があせやすい。
花ずり衣
花の汁で摺り染めにした衣。

和歌

作者
永縁(えいえん) 1048–1125
藤原永相の子。興福寺の僧で、権僧正に至った。ほととぎすの歌で名高く、「初音の僧正」と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・330番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

作者の永縁は興福寺の僧。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、58頁(コマ39)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日