新古今和歌集 巻第三 夏歌 280番
岩井汲む
岩井の水を汲むあたりの小笹に、玉のような水しぶきがこえて、早くもいくらか結んでいる、秋の夕露よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕文治六年、女御が入内した時の屏風に添えた歌。
岩井の水を汲むあたりの小笹に、玉のような水しぶきがこえて、早くもいくらか結んでいる、秋の夕露よ。
意訳
岩の間から湧く清水を汲むあたりの笹に、水の玉が飛び散り、まだ夏なのに、早くも秋の夕露がところどころ結んでいる。
語釈・文法注
- 岩井
- 岩の間から湧き出る清水。
- かつ〴〵
- 早くもいくらか。
和歌
- 作者
- 九条兼実(くじょうかねざね) 1149–1207
関白藤原忠通の子で、良経の父、慈円の兄。摂政・関白・太政大臣を務め、九条家の祖となった。日記『玉葉』を残した。俊成・定家を庇護し、家で百首歌や歌合を催した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・280番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「文治六年、女御入內の屏風に」(文治六年、女御が入内した時の屏風に添えた歌)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
文治六年(1190)、兼実の娘任子が後鳥羽天皇の女御として入内した時の屏風歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、49頁(コマ34)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日