古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 217番

聞かずとも

西行法師(さいぎょうほうし)

声を聞かなくても、ここを待つ場所と決めよう、ほととぎすよ。山田の原の杉の木立のもとで。

作者
西行法師
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2聞き聞ききかずともかずともかずとも初句
  3. 3こゝこゝここをををせにせむせにせむせにせむ二句
  4. 4時鳥ほととぎす時鳥ほととぎすほととぎす三句
  5. 5山田やまだ山田やまだやまだののの原はら原はらはらののの四句
  6. 6杉すぎ杉すぎすぎののの村立むらだち村立むらだちむらだち結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

声を聞かなくても、ここを待つ場所と決めよう、ほととぎすよ。山田の原の杉の木立のもとで。

意訳

伊勢の山田の原の杉木立は、ほととぎすの名所だ。たとえ声が聞けなくても、ここを待つ場所と決めて待とう。

語釈・文法注

こゝをせにせむ
ここを(待つ)場所としよう。「せ」は所、場所。
山田の原
伊勢国(三重県)の外宮のあたりの原。
杉の村立
杉の群がって立つ所。

和歌

作者
西行法師(さいぎょうほうし) 1118–1190
俗名は佐藤義清(のりきよ)。鳥羽院の北面の武士だったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。自然と人生の哀感を率直に詠み、『新古今和歌集』に最も多い九十四首が入る。家集に『山家集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・217番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

西行の歌。伊勢での作とされる。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、39頁(コマ29)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日