新古今和歌集 巻第三 夏歌 207番
郭公
ほととぎすよ、もう一声は鳴いて、思い出させておくれ。老蘇の森で過ごした夜中の昔のことを。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌を献上した時の、夏の歌の中に。
ほととぎすよ、もう一声は鳴いて、思い出させておくれ。老蘇の森で過ごした夜中の昔のことを。
意訳
老蘇の森で、かつてほととぎすの声を聞いた夜があった。ほととぎすよ、もう一声鳴いて、あの昔のことを思い出させてほしい。「老い」を響かせる地名に、老いの身の懐旧の情をこめる。
語釈・文法注
- 老蘇の森
- 近江国(滋賀県)の歌枕。「老い」を響かせる。
- 思ひ出でよ
- 思い出させよ。
和歌
- 作者
- 藤原範光(ふじわらののりみつ) 1154–1213
藤原範兼の子。民部卿に至った。後鳥羽院の近臣。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・207番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌奉りし時、夏の歌の中に」(百首歌を献上した時の、夏の歌の中に)。
修辞
- 掛詞
- 「おいそ」に「老い」を響かせる。
解説
作者の範光は藤原範光。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ28)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日