古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 206番

ふた聲と

藤原公通(ふじわらのきんみち)

ほととぎすの声を二声と聞かないうちは、出発するまい。幾夜を明かす明石の泊まりになったとしても。

作者
按察使公通(藤原公通)
  1. 1海邊郭公かいへんのほととぎす海邊郭公かいへんのほととぎすかいへんのほととぎすといふといふという事こと事ことことをををよみよみよみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2ふたふたふた聲こゑ聲こゑこえととと初句
  3. 3きかずばいでじきかずばいでじきかずばいでじ二句
  4. 4郭公ほととぎす郭公ほととぎすほととぎす三句
  5. 5幾いく幾いくいく夜よ夜よよあかしのあかしのあかしの四句
  6. 6泊とま泊とまとまりなりともりなりともりなりとも結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕「海辺の郭公」という題を詠みました歌。

ほととぎすの声を二声と聞かないうちは、出発するまい。幾夜を明かす明石の泊まりになったとしても。

意訳

明石の港に泊まっている。ほととぎすの声を二度聞くまでは、ここを出発するまい。たとえ何夜もここで明かすことになっても。

語釈・文法注

いでじ
出発するまい。「じ」は打消の意志。
あかし
(夜を)「明かし」と「明石」の掛詞。

和歌

作者
藤原公通(ふじわらのきんみち) 1117–1173
藤原通季の子。按察使・権大納言に至った。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・206番
歌体
短歌
状況
詞書「海邊郭公といふ事をよみ侍りける」(「海辺の郭公」という題を詠みました歌)。

修辞

掛詞
「あかし」に「明かし」と「明石」を掛ける。

解説

作者の公通は藤原公通。按察使を務めた。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ28)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日