新古今和歌集 巻第三 夏歌 205番
夜をかさね
幾夜も重ねて待ちかねていた、待乗山のほととぎすの声を、雲の彼方の遠くで一声だけ聞くことだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕寛治八年、前太政大臣(藤原師実)の高陽院の歌合で、ほととぎすを詠んだ歌。
幾夜も重ねて待ちかねていた、待乗山のほととぎすの声を、雲の彼方の遠くで一声だけ聞くことだ。
意訳
何夜も待ちかねていたほととぎすの声を、ようやく聞いた。けれども、それは雲の向こうの遠い空で、たった一声だった。
語釈・文法注
- 待乘山
- 待兼山。摂津国(大阪府)の歌枕。「待ちかね」を掛ける。
- 雲井のよそ
- 雲のかなた、遠いところ。
和歌
- 作者
- 周防内侍(すおうのないし) 生没年未詳(十一世紀後半〜十二世紀初め)
周防守平棟仲の娘。後冷泉天皇から堀河天皇まで四代の天皇に仕えた女房歌人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・205番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛治八年、前太政大臣の高陽院の歌合に、郭公を」(寛治八年、前太政大臣(藤原師実)の高陽院の歌合で、ほととぎすを詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「まちかね」に「待ちかね」と「待兼山」を掛ける。
解説
寛治八年(1094)の高陽院歌合での作。作者の周防内侍は百人一首67番の作者。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ28)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日