新古今和歌集 巻第三 夏歌 191番
郭公
ほととぎすの声を待つ間は、片岡の森の雫に、立ったまま濡れていようか。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕賀茂神社に参詣しました時に、人が「ほととぎすが鳴いてほしい」と言った明け方、片岡の森の梢が趣深く見えましたので詠んだ歌。
ほととぎすの声を待つ間は、片岡の森の雫に、立ったまま濡れていようか。
意訳
賀茂の片岡の森で、ほととぎすの初音を待っている。鳴くまでは、森の木々から落ちる雫に濡れても、ここで立って待っていよう。
語釈・文法注
- 片岡の森
- 賀茂神社の近くの森。片岡社がある。
- 立ちや濡れまし
- 「や」は疑問、「まし」はためらいの意。立って濡れていようか。
和歌
- 作者
- 紫式部(むらさきしきぶ) 978?–1014?
藤原為時の娘。一条天皇の中宮彰子に仕え、『源氏物語』を書いた。『紫式部日記』『紫式部集』もある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・191番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「賀茂に詣で侍りけるに、人の郭公なかなむと申しけるあけぼの、片岡の木梢をかしく見え侍りければ」(賀茂神社に参詣しました時に、人が「ほととぎすが鳴いてほしい」と言った明け方、片岡の森の梢が趣深く見えましたので詠んだ歌)。
解説
紫式部の歌。『紫式部集』にも見える。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、34〜35頁(コマ27)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日