新古今和歌集 巻第三 夏歌 184番
野邊はいまだ
野辺はまだ浅いが、浅香の沼で刈る草が、見ているうちにもどんどん茂っていくころだなあ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕最勝四天王院の襖絵の、浅香の沼を描いた所に添えた歌。
野辺はまだ浅いが、浅香の沼で刈る草が、見ているうちにもどんどん茂っていくころだなあ。
意訳
浅香の沼の草は、刈り取っても刈り取っても、見ている間にまた伸びて茂っていく。初夏の草の勢いを、名所の沼に託して詠む。
語釈・文法注
- 淺香の沼
- 陸奥国(福島県)の歌枕。花かつみの名所。
- かつ見る
- 見る一方で。「花かつみ」を響かせる。
和歌
- 作者
- 藤原雅経(飛鳥井雅経)(ふじわらのまさつね) 1170–1221
藤原頼経の子。『新古今和歌集』の撰者の一人。蹴鞠の名手で、和歌と蹴鞠の家である飛鳥井家の祖となった。鎌倉に下って源実朝とも交わった。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・184番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「最勝四天王院の障子に、淺香の沼かきたる所」(最勝四天王院の襖絵の、浅香の沼を描いた所に添えた歌)。
修辞
- 掛詞
- 「浅香」に「浅し」、「かつ見る」に「花かつみ」を響かせる。
解説
雅経の最勝四天王院障子和歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、33頁(コマ26)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日