新古今和歌集 巻第二 春歌下 170番
來ぬまでも
来はしないまでも、花のために人の訪れが自然と待たれた春も、暮れてしまった、深い山辺の里よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕山家の三月尽(三月の終わり)を詠みました歌。
来はしないまでも、花のために人の訪れが自然と待たれた春も、暮れてしまった、深い山辺の里よ。
意訳
山里では、花のころには人が訪ねてくるかもしれないと期待していた。実際には誰も来なかったが、それでも待つ楽しみがあった。その春も今日で終わってしまう。
語釈・文法注
- 來ぬまでも
- 来ないまでも。
- 待たれつる
- 自然と待たれた。「れ」は自発の助動詞。
和歌
- 作者
- 藤原伊綱(ふじわらのこれつな) 生没年未詳(十二世紀後半)
藤原頼輔の子。歌合などに出詠した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・170番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「山家の三月盡をよみ侍りける」(山家の三月尽(三月の終わり)を詠みました歌)。
修辞
- 体言止め
- 「み山辺の里」。
解説
作者の伊綱は藤原頼輔の子。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、30頁(コマ25)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日