新古今和歌集 巻第二 春歌下 153番
尋ねつる
訪ねてきた花も、私の身も衰えてしまって、来年の春にまた会おうとも、とても約束することはできない。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕雲林院の桜を見に出かけたところ、すっかり散ってしまって、わずかに片方の枝に残っていましたので詠んだ歌。
訪ねてきた花も、私の身も衰えてしまって、来年の春にまた会おうとも、とても約束することはできない。
意訳
訪ねた雲林院の桜は、わずかな花を残すばかりに衰えていた。自分もまた老いて衰えている。来年もまた会おうとは、とても約束できない。
語釈・文法注
- 雲林院
- 京都の紫野にあった寺。桜の名所。
- え〜ね
- 「え」は打消と呼応して不可能を表す。「ね」は「こそ」の結びで、打消の「ず」の已然形。
和歌
- 作者
- 良暹法師(りょうぜんほうし) 生没年未詳(十一世紀)
比叡山の僧で、祇園の別当を務めたと伝えられる。晩年は大原に隠棲した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・153番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「雲林院の櫻見にまかりけるに、皆散りはててわづかに片枝に殘りて侍りければ」(雲林院の桜を見に出かけたところ、すっかり散ってしまって、わずかに片方の枝に残っていましたので詠んだ歌)。
修辞
- 係り結び
- 「えこそ契らね」。
解説
作者の良暹は比叡山の僧。百人一首70番の作者。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、27頁(コマ23)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日