新古今和歌集 巻第二 春歌下 152番
花流す
花を流す早瀬をも見ることができるはずの三日月が、欠けたまま山の向こうに沈んでいってしまった。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕紀貫之が曲水の宴を催しました時に、「月が花の流れる早瀬に入って暗い」という題で詠みました歌。
花を流す早瀬をも見ることができるはずの三日月が、欠けたまま山の向こうに沈んでいってしまった。
意訳
三日月の光があれば、花びらの流れる早瀬も見えるはずなのに、その細い月は欠けた姿のまま山の向こうに沈んでしまい、あたりは暗くなった。
語釈・文法注
- 月入花灘暗
- 題。月が花の流れる早瀬に沈んで暗い。
- われて
- 欠けて。半分に割れた形で。
- 遠方
- 向こうのほう。
和歌
- 作者
- 坂上是則(さかのうえのこれのり) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
坂上田村麻呂の子孫。大和権少掾・加賀介などを務めた。蹴鞠の名手としても知られる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・152番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「紀貫之、曲水宴し侍りける時、月入花灘暗といふ事をよみ侍りける」(紀貫之が曲水の宴を催しました時に、「月が花の流れる早瀬に入って暗い」という題で詠みました歌)。
解説
作者の是則は『古今和歌集』時代の歌人で、百人一首31番の作者。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、27頁(コマ23)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日