新古今和歌集 巻第二 春歌下 145番
花さそふ
花を誘って散らした名残を雲の形に吹きとどめて、しばらくは美しく照り映えていてくれ、春の山風よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕「落花」という題で詠んだ歌。
花を誘って散らした名残を雲の形に吹きとどめて、しばらくは美しく照り映えていてくれ、春の山風よ。
意訳
春の山風よ、花を散らしてしまったのなら、せめてその名残の花びらを雲のように空に吹きとどめて、しばらくの間は美しく見せていてほしい。
語釈・文法注
- なごり
- 名残。散った花の跡。
- 匂へ
- 美しく照り映えよ。
和歌
- 作者
- 藤原雅経(飛鳥井雅経)(ふじわらのまさつね) 1170–1221
藤原頼経の子。『新古今和歌集』の撰者の一人。蹴鞠の名手で、和歌と蹴鞠の家である飛鳥井家の祖となった。鎌倉に下って源実朝とも交わった。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・145番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「落花といふことを」(「落花」という題で詠んだ歌)。
修辞
- 擬人法
- 春の山風に呼びかける。
解説
雅経の歌。前の歌と同じく、花の名残を雲に託す。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、26頁(コマ23)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日