古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 127番

山里の

越前(えちぜん)

山里の庭を通らない、ほかの道があればよいのに。花は散ったかと、人が訪ねてくるかもしれないから。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
越前
  1. 1山里やまざと山里やまざとやまざとののの初句
  2. 2庭には庭にはにわよりよりより外ほか外ほかほかののの二句
  3. 3道みち道みちみちもがなもがなもがな三句
  4. 4花はな花はなはなちりぬやとちりぬやとちりぬやと四句
  5. 5人ひと人ひとひともこそともこそともこそとへへえ結句

引用の仕方

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現代語訳

山里の庭を通らない、ほかの道があればよいのに。花は散ったかと、人が訪ねてくるかもしれないから。

意訳

散り敷いた花びらを踏み荒らされたくない。花はもう散ったかと人が訪ねてきて、庭を通られては困るので、庭を通らない別の道があればよい。

語釈・文法注

道もがな
道があればなあ。「もがな」は願望。
人もこそとへ
「もこそ」は、そうなっては困るという危ぶみを表す。人が訪ねてくると困る。

和歌

作者
越前(えちぜん) 生没年未詳(十二世紀末〜十三世紀前半)
大中臣公親の娘。式子内親王に仕え、のち後鳥羽院に仕えた女房。千五百番歌合などに出詠した。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・127番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

越前の歌。散り敷いた花を惜しむ心を、意外な発想で詠む。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、23頁(コマ21)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日