新古今和歌集 巻第一 春歌上 88番
石のかみ
石上の古い都に来てみると、昔の人々が髪にかざした花が、今も咲いていたことだ。

現代語訳
石上の古い都に来てみると、昔の人々が髪にかざした花が、今も咲いていたことだ。
意訳
奈良の石上の古い都を訪ねてみると、かつてここに住んだ人々が髪飾りにした桜の花が、昔と変わらず咲いていた。人の世のうつろいと、変わらない自然を対比する。
語釈・文法注
- 石のかみ
- 石上(いそのかみ)。大和国の地名。「古る」にかかる枕詞としても用いる。
- かざしゝ
- 髪に挿して飾った。「し」は過去の助動詞「き」の連体形。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・88番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 枕詞
- 「石のかみ」が「ふる(古る)」にかかる。
解説
作者の名の伝わらない古歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、16頁(コマ18)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日