新古今和歌集 巻第一 春歌上 84番
ふして思ひ
寝ても思い、起きてももの思いにふけって眺める春雨の中で、花のつぼみはどのようにほどけていくのだろうか。

現代語訳
寝ても思い、起きてももの思いにふけって眺める春雨の中で、花のつぼみはどのようにほどけていくのだろうか。
意訳
寝ても覚めても花のことを思い、春雨を眺めている。この雨に濡れて、花のつぼみはどのように開いていくのだろう。花の開くのを、下紐を解くことにたとえ、恋の心を重ねる。
語釈・文法注
- ふして思ひおきて眺むる
- 寝ても覚めても思う。
- ながむる
- 「長雨」と「眺むる」を掛ける。
- 花の下紐
- 花のつぼみを、着物の下紐にたとえる。下紐が解けるのは恋人に会える前兆とされた。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・84番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「ながむる」に「眺むる」と「長雨」を掛ける。
解説
作者の名の伝わらない古歌。花の開花を恋のことばで表す、艶のある歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、15頁(コマ17)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日