新古今和歌集 巻第一 春歌上 80番
櫻花
桜の花が咲いたらまず見ようと思っているうちに、日数が過ぎてしまったことだ。春の山里で。

現代語訳
〔詞書〕白河院が鳥羽殿にいらっしゃった時に、人々が「山家に花を待つ」という題で詠みました時の歌。
桜の花が咲いたらまず見ようと思っているうちに、日数が過ぎてしまったことだ。春の山里で。
意訳
山里で、桜が咲いたら真っ先に見ようと待ちかまえているうちに、いつの間にか日数がたってしまった。花を待つ長い日々を、山里の住まいで過ごす心を詠む。
語釈・文法注
- 咲かば
- 咲いたら。「ば」は順接の仮定条件。
- 見むと
- 見ようと。
- 經にけり
- 過ぎてしまった。
和歌
- 作者
- 藤原隆時(ふじわらのたかとき) ?–1100?
藤原清綱の子。白河院の近臣で、因幡守などを務めた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・80番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「白川院、鳥羽におはしましける時、人々山家待花といへる心をよみ侍りけるに」(白河院が鳥羽殿にいらっしゃった時に、人々が「山家に花を待つ」という題で詠みました時の歌)。
修辞
- 体言止め
- 「春の山里」。
解説
白河院の鳥羽殿での歌会の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、15頁(コマ17)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日