新古今和歌集 巻第一 春歌上 69番
うちなびき
草木がなびいて、春がやって来たことだ。青柳の影を踏む道で、人が休んでいる。

現代語訳
草木がなびいて、春がやって来たことだ。青柳の影を踏む道で、人が休んでいる。
意訳
春になって草木がなよやかになびき、道ばたの柳も芽吹いた。その柳の影の落ちる道で、行き交う人がしばし足を止めて休んでいる。のどかな春の道の情景を描く。
語釈・文法注
- うちなびき
- なびいて。「春」にかかる枕詞としても用いられた。
- 蔭ふむ道
- 柳の木陰を踏んで行く道。
- やすらふ
- 休む、立ち止まる。
和歌
- 作者
- 藤原高遠(ふじわらのたかとお) 949–1013
藤原実頼の孫で、藤原公任の従兄。大宰大弐となって筑紫に下った。和歌と管絃にすぐれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・69番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 二句切れ
- 「春は来にけり」で切れる。
解説
作者の高遠は藤原公任のいとこで、大宰大弐を務めた。底本は第四句を「蔭ふむ道に」とするが、「蔭ふむ道ぞ」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、13頁(コマ16)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日